親知らずの痛くない抜歯、方法
投稿日:2015年4月3日
カテゴリ:ごう歯科BLOG
前回、親知らずを抜いたほうがいいか、残していけるかについての話をしました。
では実際に抜歯しなければならない状態になった場合、どのように抜歯していくか。
腫れや痛みの具合、当院での大学病院に紹介するケースについて説明していきます。
痛くない抜歯
大切なのは、麻酔をしっかり効かせて早く的確に抜歯することです。
前のブログで麻酔について書きましたが、表面麻酔を効かせる、温めた麻酔薬を用いる、細い針でゆっく
り注射することで麻酔自体の痛みも和らげることが出来ます。
抜歯術前にレントゲンをしっかり確認し、シュミュレーションを行います。
親知らずだけでなく、歯が横を向いていたり歯肉に埋まっている状態だ」と難しく、歯の頭の一番太い部
分が外に出ていれば簡単になっていきます。
上の図は下の横を向いている親知らずですが、難易度が全く異なります。
2番目3番目は、下の線と接しているように見えています。
この線は顎の骨の中を土管みたいに神経と血管が入っています。
必要によってはCT撮影を行い実際に神経と歯の根の位置関係を確認します。
神経とくっついているのを気づかずにそのまま無理に抜こうとすると、しびれ感・麻痺がもこる場合があ
ります。神経を切ってしまうわけではないので、回復することがほとんどですが個人差があるので、どれ
くらいで感覚が戻ってくるかは何ともいえません。
しかし長期で経過を追っていく必要が出てくるので、もしも神経と接している、あまりにも近い場合、ま
た根が張り出していて骨をたくさん削らなければならない場合など問題点が多い場合は、大学病院など大
きい病院に紹介します。
根の形もいろいろで、張り出していたり曲がっていたりすると難しくなります。
もし真っ直ぐに生えていても、神経に接している場合は紹介しています。
ただ、ほとんどの抜歯はこちらで行っていて、CTを撮影して紹介するケースは少ないです。
紹介する場合もCDにデータを焼いて持って行っていただくので、無駄にはなりません。
横を向いている親知らずの抜歯の仕方
当然根の部分は骨に覆われていて、上にそのまま抜いていくことはできません。
まず歯が歯肉に被っていて見えないので、歯肉を切開し開いて歯が見えるようにします。
横を向いている歯の頭の部分を削って分割し、頭の部分だけを取り出します。
出来たスペースに根の部分をずらして、取り出します。
歯を抜いて穴が開いているので、中にスポンジ状の薬を入れ早く治すように歯肉をよせて縫っていきます。
その後、圧迫止血といってガーゼを強く15分くらい咬んでもらい止血するとともに、かさぶたを作っていきます。
次の日の朝くらいまで、つばに血が混じることがありますが血の中の白血球がばい菌をやっつけてくれて、赤血球が肉になっていきますから、少ない出血であれば心配いりません。
もし出続けるようであれば、また圧迫止血を行います。
必要以上に血が出るのは、あまり気持ちいいものではないので心拍数が上がるようなこと(運動・お酒・長風呂)は控えて、安静にしてください。
抗生物質と痛みどめを処方するので、必ず指示通りに飲んでください。
親知らずの気になっている方は、早めにチェックしてもらったほうがいいでしょう。
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