レーザーの話 つづき
投稿日:2015年2月27日
カテゴリ:ごう歯科BLOG
この間のレーザーの話の続きを書きます。
更新が遅くなりすみません。
前回はレーザーの歴史やバックグラウンドについてふれていきましたが、今回は歯科において使用されているレーザーの各々の特徴について書いていきます。
まず、前回のおさらいです。
レーザーは光の波長によって吸収されやすいターゲットが異なっており、それによって各種異なったレーザー装置があります。
歯科では主に上の4つのレーザーが使用されています。
1、Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー 波長2940nm(2.94マイクロメーター)
水を併用しながら使用できる軟組織硬組織両用のレーザー
水とハイドロキシアパタイトへの吸収が高く、表面でほとんどが吸収されるため組織内
に熱の影響が出ずらく安全性が非常に高い
2、CO2(炭酸ガス)レーザー 波長10600nm(10.6マイクロメーター)
主に歯肉切開、口腔内殺菌、凝血など軟組織用レーザーとして用いられている。
表面吸収型のレーザーであるが、実際には生体内への熱の蓄積があるため、過度の照射で
腐骨を形成する恐れがあるため注意が必要である。
3、Nd:YAG(ネオジウムヤグ)レーザー 波長1064nm
水や生体組織内への吸収率は中程度といわれている。血液の凝固作用があり、黒色色素に
吸収率が高い。先端チップなどを使用し先端に熱エネルギーを集中させ切開などにも応用
されている。このレーザーも生体内への熱の吸収に注意する必要がある。
4、半導体レーザー 波長650~2000nm程度
低波長の半導体レーザーは組織透過型であり、赤血球への熱吸収性が高く、低出力では細
胞の活性化に期待できる軟組織用のレーザーである。歯肉切開や知覚過敏処置、高出力で
蒸散、凝固が可能である。生体内への熱の蓄積に注意が必要である。
このようにいろいろあるレーザーですが、次回から実際に組織に使用したものを見比べて比較してみましょう。
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