レーザーの話③

投稿日:2015年3月6日

カテゴリ:ごう歯科BLOG

また、レーザーの話のつづきです。

いろいろなレーザーがあり、特徴などについて書いてきました。

それでは実際に組織に対して応用した場合は、どのような変化が起きるのかを見ていきましょう。

図2_R

 

前に書いたようにレーザーを照射すると熱が発生します。

このエネルギーを用いて組織を蒸散させていきますが、当然周囲組織にもダメージが加わります。

これを抑えるために冷却したり、パルス化させたりということを行っています。

各レーザーを豚のレバーに照射した写真です。

図4_R

このようにレーザーによって全く異なった切れ方をします。

ここでよく見ていただきたいのが、Er:YAGレーザー以外は表面が黒く炭化しているところです。

表面の温度はかなり高温になっています。

図3_R

また黒い炭化層の下は組織が白く変性しています。

この層の幅が広ければ内部に対する熱の影響が大きく、また炭化も白くもなっていなければ影響が小さいといえます。

図1_R

い_R

このように各レーザーによって特徴が異なっていますが、用途によって使い分けていくことが必要になってきます。

この中では水を使用しながら使用できるレーザーはEr:YAGレーザーのみで、冷却効果が高いうえに組織透過性が小さいことにより、組織内部に対して影響が少ないといえます。

また、応用範囲が大きいこともいえると思います。

レーザー用と_R

 

レーザーの種類によりどこまで治り方がことなるか見てみましょう。

下の写真は粘液嚢胞をレーザーで摘出したものです。

上が術前の状態、下が術直後です。

図6_R

左からEr:YAG  炭酸ガス  Nd:YAG  レーザーで放射

熱の影響が小さいと組織が凝固しずらく止血効果は小さくなります。

炭酸ガス、Nd:YAGレーザーは組織が凝固して全く出血していません。

下の写真は上が一週間後、下が三週間後です。

図7_R

Er:YAGは一週間でほぼ治ってきていますが、炭酸ガスでは三週間、Nd:YAGでは完治していないのがみえます。

このように組織内部に対する影響で治り方にも大きく違いが出てくるのがわかると思います。

 

私はEr:YAGレーザーを生きている歯に応用した際に歯の神経がどのように反応するかを研究してきました。使い方によっては、他のレーザー同様止血効果を出すことも可能になります。

愛着もありレーザーの話からしていきましたが、今後他の歯科の話もしていきます。

 

 

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