歯医者の麻酔
投稿日:2015年3月10日
カテゴリ:ごう歯科BLOG
歯の治療と麻酔の関係・疑問について書いていきます。
ごう歯科クリニック、院長の明石豪です。
歯医者で怖いことといえば、痛い・何してるかわからない・音・息苦しい、などいろいろあると思いますが、その中でも麻酔は一番嫌な事だという方が多いと思います。
チクリと針を刺されるまでの恐怖感、段々感覚が麻痺していくジワジワ感、何度やっても慣れることはないですよね。
麻酔が効きずらい、何時間感覚がないままなのか、麻酔の跡が痛いなど、麻酔に関しての不安や疑問は尽きないと思います。
麻酔について前もって知識を持っておくことで、少しでも恐怖心が少ない状態で治療を受けていただければ、歯医者に行くこと、治療することの心の負担が減るかもしれません。
歯医者の麻酔は基本的に浸潤麻酔といって、神経に直接麻酔をするわけではなく骨の周りに注射して時間をかけて効かせていくものです。これは構造上、歯は歯肉に植わっているわけではなく、顎の骨に植わって歯根を骨が支えているからです。
針が歯肉に刺さった後、麻酔薬は 歯肉→顎骨→歯根→神経 の順に効いていってしみない状態になります。麻酔をしてから時間をあけるのは浸潤させる時間を待つためです。
これにより、骨が厚い方、上顎に比べて下顎(下顎は動く骨のため厚く硬い)、前歯に比べて奥歯(奥のほうが支えてる骨が厚い)が麻酔が効きにくいといわれています。
また、痛みが強い場合、腫れている場合も麻酔は効きずらくなります。
麻酔をするのはこんな時
①大きな虫歯治療(神経が残っている歯)
治療前から痛みがある場合や、レントゲン上で痛みがなくても大きな虫歯になっている場合
小さい場合は麻酔をしないで行うこともあります
②抜歯
歯を抜く場合
③歯肉を切る
歯周病、歯肉の整形、親不知に歯肉がかぶって痛い、など外科的な処置をする場合
④膿を出す
歯肉が腫れていて膿を出すときに麻酔する場合がある
⑤インプラント
インプラント手術を行う場合
麻酔が痛くないようにするために
少しでも麻酔の注射が痛くないように針を刺す前に表面麻酔を塗って、歯肉表面を麻痺させておきます。
表面の感覚が鈍くなってきたところで、針を刺しますが針もなるべく細いものを使用します。
そして麻酔薬を入れていきますが、麻酔薬も体温と同じくらいに温めておくと刺激が少ないので痛みが少なくなります。
同様にゆっくり麻酔薬を打つことで刺激が小さくなり痛みが少なくなります。
麻酔をした後にドキドキする
麻酔の効果には痛みを感じさせなくすると同時に、治療する部分の出血をしにくくさせる効果があります。これは麻酔薬に血管収縮薬がはいっており、体に吸収される速度を遅くして、麻酔効果を高めるとともに時間も長く効くようにしています。しかし血管収縮薬の作用で心拍数が上がり、麻酔した直後にドキドキすることがあります。ただでさえ緊張していることが多いと思いますので、よけいにドキドキ感を強く感じると思います。 通常は数秒から数分でおさまりますが、気分が悪くなる場合はすぐにスタッフに伝えてください。
また、持病で高血圧などの方はよけいに血圧が上がってしまう可能性があるので、血管収縮薬が入っていない麻酔薬もありますので、ご安心ください。
麻酔が切れるまでの注意点
麻酔が効いている時間は約2時間程度です。打った量にもよりますが、5~6時間ではかならずきれてきます。その間いくつか気を付けていただかないと麻酔が切れた後で、大変な思いをしてしまうので注意しましょう。
①やけどに注意
感覚がないため熱いものでやけどをしても気が付きません。熱いものは避けましょう。冷たい水などであ れば構いません。
②ほっぺや唇を咬まないように注意
食事をすると感覚がないため、ほっぺや唇を咬んでいても気が付きません。麻酔が切れてからお食事してください。どうしてもという場合は、麻酔をしていない反対側でゆっくり柔らかいものを食べるようにしましょう。 また麻酔の効きを確認するためにわざと咬んだり、刺激を与えるようにしやすいですが、なるべくそっとしておきましょう。
③なるべく触らない
腫れていないか何度もほっぺを触ったりつねったり、唇を引っ張ったり咬んだり。歯肉に針の傷がありますから、手で触ると感染の原因になることがあります。特にお子さんは、麻酔が効いている部分を触ってしまいがちなので、注意してあげてください。
麻酔を打ったところが痛い
口内炎
お口の中には様々な細菌が住んでいます。麻酔の針を刺したところから細菌感染すると口内炎のように歯肉が荒れてしまうことがあります。しっかり歯磨きやうがいをしてお口の中を清潔に保ってください。1週間位で治ります。
歯肉を押すと痛い
骨の近くまで針を刺した部分は、ズーンと思い違和感が残り、歯肉を押すと痛いと感じることがあります。1週間くらいで痛みはなくなります。
食事会や大切な仕事がすぐ後に入っている場合など、麻酔が効いたままのいつもと違う状態では気になると思いますので、治療内容を変更したい場合はお伝えください。
麻酔について書いてみましたが、なんとなくおわかりいただけたでしょうか。
知識を深めても、麻酔を何度経験しても好きになることではありませんし、なかなか慣れないと思います。
不安な時や、気分が悪くなった時は我慢しないで、遠慮なく教えてください。
安心して、無理をしないで治療を受けていただくことが一番大切です。
■ 他の記事を読む■