虫歯のはなし
投稿日:2015年3月25日
カテゴリ:ごう歯科BLOG
暖かい日が多くなってきて、朝起きるのが段々と楽になってきました。
寒い日は、朝洗面所で歯ブラシするのも苦痛ですよね。
ところで、なぜ虫歯になるか知っていますか?
今回は虫歯についてお話していきます。
虫歯がなぜできるか? とお聞きすると、歯を磨かないから、甘いものばかり食べるからという方がほとんどだと思います。
実際に虫歯が多い方に当てはまりやすいことですが、しっかり磨いているのに虫歯になったという方もいらっしゃると思います。
まず、虫歯とは何かをお話していきましょう。
虫歯とは、お口の中の細菌が作り出す酸によって、歯質が溶かされることによって起きる病気です。
歯が溶かされることを脱灰といいますが、まずこれを説明していきます。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌が歯質表面に付着して、磨き残しと合わさって歯垢 プラークを作ります。 食べ物に含まれる糖質をエサにして酸を作り出します。
この酸が、エナメル質を溶かし、歯の成分であるカルシウムやリンを破壊していきます。
これを脱灰といいます。
歯は酸性を示すPH5.5以下になると、脱灰し始めるといいます。
食事をすると食事に含まれる糖分により、ミュータンス菌が酸を作り出し、口腔内が一気に酸性になっていきます。時間にすると約2~3分といわれています。
この時間を過ぎると脱灰が始まるといわれています。
しかしこれに対抗するために、唾液には緩衝能という力があり、歯を再石灰化するのです。
これは一度脱灰して失われたリンやカルシウムをもう1度戻す力です。
虫歯は上の図のように、
1、歯の質・強さ 2、時間 3、ばい菌 4、糖分
の4つが組み合わさって虫歯になります。
では、どのような人が虫歯になりやすいでしょうか
1番は間食が多い方、常に菌のエサである糖分がある状態です。
歯の脱灰は20~30分続くといわれていて、その後30~40分かけて再石灰化を行っていきます。
間食が多いと、再石灰化を行っている途中に口腔内が酸性になってしまいます。
2番目は唾液緩衝能の低い方、酸性に傾いた口腔内環境をなかなか元に戻せないため、再石灰化が始まるまでに時間がかかってしまいます。
やっと戻ってもすぐに次の食事が来てしまうため、再石灰化しきる前にまた酸性になってしまいます。
脱灰と再石灰化のバランスによって虫歯は発生するので、できるだけ中性に近い状態を保つことが虫歯予防になります。
虫歯予防の5つのポイント
1、プラークコントロール
しっかり歯磨きをして、ミュータンス菌のエサとなるプラークをしっかり除去することで、繁殖を防ぎ
酸性環境にいる時間を短くします。
2、定期的な食事
ちょこちょこ食事をしたり、だらだら食事をすることを避け、時間を決めて食事をすることで酸性環境
にいる時間が短くなり、再石灰化も行われます。
3、よく噛む
柔らかいものばかり食べないようにして、しっかりよく噛んで食べることにより、唾液の分泌量が増え
口腔内の自浄作用(唾液により口腔内を洗い流す作用)が良くなり、唾液が増えることにより緩衝能や
再石灰化も行われやすくなる。
4、不良補綴物(適合の悪い詰め物など)の撤去
不適合な詰め物や被せ物があるとそこにプラークが溜まりやすく、細菌が住みやすくなります。
適合の良い修復物に変えることで、磨きやすく、プラークや細菌が溜まりずらくなります。
5、定期的なメインテナンス
毎日のご自身でのブラッシングが何より大切ですが、定期的なメインテナンスを行うことにより自分で
は難しい部分や硬く固まってしまった歯石など自分では、落とせない汚れをきれいにしていきます。
歯科医院でのプロフェッショナルケアとご自身でのパーソナルケアを噛み合うことで、しっかりとした
予防につながります。
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